MariaDB リードレプリカの問題のトラブルシューティング
MariaDB のレプリケーションテクノロジーは非同期です。非同期であるため、ソースの DB インスタンスの BinLogDiskUsage
やリードレプリカの ReplicaLag
が増加する場合があります。例えば、ソース DB インスタンスへの大量の書き込みオペレーションは並行して実行できます。一方、リードレプリカへの書き込みオペレーションは単一の I/O スレッドでシリアルで行われるため、ソースのインスタンスとリードレプリカの間で遅延が発生する場合があります。MariaDB ドキュメントの読み取り専用のレプリカについては、「レプリケーションの概要
ソースの DB インスタンスに対する更新とそれに続くリードレプリカに対する更新の間の遅延を低減するには、次のいくつかの方法があります。
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ストレージサイズと DB インスタンスクラスがソース DB インスタンスと同程度となるようにリードレプリカのサイズを決定します。
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ソース DB インスタンスとリードレプリカにより使用される DB パラメータグループのパラメータ設定に互換性を確保します。詳細と例については、このセクションの後方にある
max_allowed_packet
パラメータの説明を参照してください。
Amazon RDS は、リードレプリカのレプリケーションの状態をモニタリングし、何らかの理由でレプリケーションが停止した場合はリードレプリカのインスタンスの Replication State
フィールドを Error
に更新します。これには、リードレプリカで実行された DML クエリがソースの DB インスタンスで行われた更新と競合した場合などがあります。
[Replication Error
] フィールドを参照することで、MariaDB エンジンによりスローされた関連エラーの詳細を確認できます。リードレプリカのステータスを示すイベントが生成されます(RDS-EVENT-0045、RDS-EVENT-0046、RDS-EVENT-0047 など)。イベントについてとイベントへのサブスクライブの詳細については、「Amazon RDS イベント通知の操作」を参照してください。MariaDB エラーメッセージが返された場合、『MariaDB のエラーメッセージドキュメント
レプリケーションエラーを引き起こす一般的な問題は、リードレプリカの max_allowed_packet
パラメータの値がソース DB インスタンスの max_allowed_packet
パラメータより小さいことです。max_allowed_packet
パラメータは、DB パラメータグループに設定できるカスタムパラメータで、データベースで実行できる DML コードの最大サイズを指定するために使用されます。場合によっては、ソースの DB インスタンスに関連付けらている DB パラメータグループの max_allowed_packet
パラメータの値が、ソースのリードレプリカに関連付けられている DB パラメータグループの max_allowed_packet
パラメータの値より小さいことがあります。このような場合、レプリケーションプロセスからエラー (パケットが 'max_allowed_packet' バイトを超える) がスローされ、レプリケーションが停止することがあります。ソースとリードレプリカで同じ max_allowed_packet
パラメータ値を持つ DB パラメータグループが使用されるように設定することにより、エラーを修正できます。
レプリケーションエラーを引き起こす可能性があります他の一般的な状況は次のとおりです。
リードレプリカのテーブルに書き込んでいる。リードレプリカでインデックスを作成する場合、
read_only
パラメータを 0 に設定してインデックスを作成する必要があります。リードレプリカのテーブルに書き込んだ場合、レプリケーションが中断する可能性があります。-
MyISAM. などの非トランザクションストレージエンジンを使用している。リードレプリカにはトランザクションストレージエンジンが必要です。レプリケーションは、MariaDB 上の InnoDB ストレージエンジンでのみサポートされます。
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SYSDATE()
など、安全でない非決定的クエリを使用している。詳細については、「バイナリロギングでの安全および安全でないステートメントの判断」を参照してください。
エラーを安全にスキップできると判断した場合、RDS for MySQL の現在のレプリケーションエラーのスキップ で説明されているステップに従うことができます。それ以外の場合は、リードレプリカを削除し、同じ DB インスタンス識別子を使用してインスタンスを作成することで、エンドポイントを前のリードレプリカと同じままにすることができます。レプリケーションエラーが解決すると、[Replication State
] は [レプリケーション中] に変化します。
MariaDB DB インスタンスでは、障害時にバイナリログ (binlog) のイベントがフラッシュされない場合、リードレプリカをセカンダリに切り替えられないことがあります。その場合、リードレプリカを手動で削除して作成し直します。次のパラメータ値 (sync_binlog=1
、innodb_flush_log_at_trx_commit=1
) を設定することで、これが発生する可能性を減らすことができます。これらの設定によりパフォーマンスが低下することがあるため、本稼働環境で変更を実装する前に影響をテストしてください。