PERF02-BP01 ワークロードに最適なコンピューティングオプションを選択する - AWS Well-Architected フレームワーク

PERF02-BP01 ワークロードに最適なコンピューティングオプションを選択する

ワークロードに最適なコンピューティングオプションを選択することで、パフォーマンスを高め、不要なインフラストラクチャコストを削減し、ワークロードを維持するために必要な運用工数を軽減できます。

一般的なアンチパターン:

  • オンプレミスで使用されていたものと同じコンピューティングオプションを使用している。

  • クラウドコンピューティングのオプション、機能、ソリューション、およびそうしたソリューションがコンピューティング性能の向上にどのように役立つかについての認識が足りない。

  • ワークロードの特性により的確に適合する代替のコンピューティングオプションがあるにもかかわらず、スケーリングやパフォーマンスの要件を満たすために既存のコンピューティングオプションを過剰にプロビジョニングしている。

このベストプラクティスを活用するメリット: コンピューティング要件を特定し、利用可能なオプションに照らし合わせて評価することで、ワークロードのリソース効率を高めることができます。

このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル:

実装のガイダンス

クラウドワークロードを最適化してパフォーマンスを効率化するには、ユースケースとパフォーマンス要件に最適なコンピューティングオプションを選択することが重要です。AWS では、クラウド内のさまざまなワークロードに対応するさまざまなコンピューティングオプションを用意しています。例えば、Amazon EC2 を使用して仮想サーバーを起動・管理する、AWS Lambda を使用してサーバーのプロビジョニングや管理を行うことなくコードを実行する、Amazon ECSAmazon EKS を使用してコンテナを実行・管理する、AWS Batch を使用して大量のデータを並列処理するといったことが可能です。スケールとコンピューティングニーズを基に、状況に最適なコンピューティングソリューションを選んで構成する必要があります。また、コンピューティングソリューションにもそれぞれ利点と欠点があるため、1 つのワークロードで複数のタイプを使用することも検討できます。

次の手順では、ワークロードの特性とパフォーマンス要件に合わせて適切なコンピューティングオプションを選択する方法を説明します。

実装手順

  • ワークロードのコンピューティング要件を把握します。主な要件には、処理ニーズ、トラフィックパターン、データアクセスパターン、スケーリングの必要性、レイテンシー要件があります。

  • ワークロードのさまざまな AWS コンピューティングサービスについて説明します。詳細については、「PERF01-BP01 利用可能なクラウドサービスと機能について学び、理解する」を参照してください。AWS の主要なコンピューティングオプション、その特徴、一般的な使用例は次のとおりです。

    AWS のサービス 主な特徴 一般的なユースケース
    Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) ハードウェア、ライセンス要件、さまざまなインスタンスファミリーの幅広い選択肢、プロセッサタイプおよびコンピューティングアクセラレーターの専用オプション リフトアンドシフトの移行、モノリシックなアプリケーション、ハイブリッド環境、エンタープライズアプリケーション
    Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)  簡単なデプロイ、一貫性のある環境、スケーラビリティ マイクロサービス、ハイブリッド環境
    AWS Lambda  イベントに対応してコードを実行し、基盤となるコンピューティングリソースを自動的に管理する、サーバーレスコンピューティングサービス。 マイクロサービス、イベント駆動型アプリケーション
    AWS Batch ジョブ要件に基づいてオンデマンドインスタンスまたはスポットインスタンスを使用するオプションを備え、Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)AWS Fargate コンピューティングリソースを効率的かつ動的にプロビジョニングおよびスケールします。 HPC、機械学習モデルのトレーニング
    Amazon Lightsail 小規模なワークロードを実行するための事前構成済みの Linux および Windows アプリケーション シンプルなウェブアプリケーション、カスタムウェブサイト
  • 各コンピューティングオプションに関連するコスト (時間単位の料金やデータ転送など) と管理諸経費 (パッチ適用やスケーリングなど) を評価します。

  • 非運用環境で実験とベンチマーキングを行い、どのコンピューティングオプションがワークロード要件に最も適しているかを特定します。

  • 実験を通じて新しいコンピューティングソリューションを特定したら、移行を計画し、パフォーマンスメトリクスを検証します。

  • AWS が提供する Amazon CloudWatch などのモニタリングツールや AWS Compute Optimizer などの最適化サービスを使用して、実際の使用パターンに基づいてコンピューティングを継続的に最適化します。

リソース

関連ドキュメント:

関連動画:

関連する例: