SEC08-BP02 保管中に暗号化を適用する
保管中のプライベートデータを暗号化して機密性を維持し、意図しないデータの開示や流出に対する保護を強化します。暗号化は、最初に復号化されない限り、データを読み取ったりアクセスしたりできないようにデータを保護します。暗号化されていないデータをインベントリして制御し、データ漏洩に関連するリスクを軽減します。
期待される成果: 保管中にデフォルトでプライベートデータを暗号化するメカニズム。これらのメカニズムはデータの機密性を維持し、意図的または不注意によるデータの開示や流出に対する保護層を追加して強化するのに役立ちます。暗号化されていないデータのインベントリを維持し、そのデータを保護するためのコントロールを理解します。
一般的なアンチパターン:
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デフォルトで暗号化する設定を使用しない。
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複合キーに過度に寛容なアクセスを提供する。
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暗号化および復号化キーの使用をモニタリングしない。
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データを暗号化せずに保管する。
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データの使用、タイプ、分類に関係なく、すべてのデータに同じ暗号化キーを使う。
このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル: 高
実装のガイダンス
暗号化キーとワークロード内のデータ分類をマッピングします。このアプローチは、1 つまたは非常に少数のデータ暗号化キーを使用する場合、過度に許容されるアクセスから保護するのに役立ちます (「SEC07-BP01 データ分類スキームを理解する」を参照)。
AWS Key Management Service (AWS KMS) は、多くの AWS サービスと統合し、保管中のデータを暗号化しやすくします。例えば、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) では、新しい EBS ボリュームが自動的に暗号化されるように、アカウントにデフォルトの暗号化を設定できます。AWS KMS を使用する際は、どの程度厳格にデータを制限すべきかを検討してください。デフォルトでサービス制御型の AWS KMS キーは、AWS がユーザーに変わって管理および使用します。基盤となる暗号化キーにへのアクセスを細かく管理すべき機密データの場合、カスタマーマネージドキー (CMK) を検討してください。キーポリシーを使用することで、ローテーションやアクセス管理など、CMK を完全に制御できます。
さらに、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) や Amazon Elastic File System (Amazon EFS) などのその他のサービスは、デフォルトの暗号化の設定をサポートしています。AWS Config ルール を使用して、Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) ボリューム、Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) インスタンス、Amazon S3 バケット、組織内のその他のサービスで暗号化の使用状況を自動的に確認することもできます。
AWS はまた、クライアント側の暗号化も提供するため、クラウドにアップロードする前にデータを暗号化できます。AWS Encryption SDK は、エンベロープ暗号化を使用してデータを保護する方法を提供します。ラッピングキーを提供すると、AWS Encryption SDK が暗号化する各データオブジェクトに対して固有のデータキーを生成します。マネージド単一テナントハードウェアセキュリティモジュール (HSM) が必要な場合は、AWS CloudHSM を検討します。AWS CloudHSM では、FIPS 140-2 レベル 3 検証済み HSM で暗号化キーを生成、インポート、管理できます。AWS CloudHSM のユースケースには、認証局 (CA) 発行用プライベートキーの保護、Oracle データベースに対する Transparent Database Encryption (TDE) の有効化などが挙げられます。AWS CloudHSM Client SDK は、データを AWS にアップロードする前に、AWS CloudHSM 内に保管されたキーを使って、クライアント側でデータを暗号化できるソフトウェアを提供します。Amazon DynamoDB Encryption Client では、DynamoDB テーブルにアップロードする前のアイテムを暗号化および署名することもできます。
実装手順
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新しい Amazon EBS ボリュームのデフォルトの暗号化を設定する: 新しく作成したすべての Amazon EBS ボリュームを暗号化形式で作成することを指定します。AWS が提供するデフォルトキーを使用するか、作成したキーを使用するかを選択できます。
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暗号化された Amazon マシンイメージ (AMI) を設定する: 暗号化を有効化して既存の AMI をコピーすると、自動的にルートボリュームとスナップショットが暗号化されます。
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Amazon RDS 暗号化を設定する: 暗号化オプションを有効化して、保管中の Amazon RDS データベースクラスターとスナップショットに対して暗号化を設定します。
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データの分類ごとに適切なプリンシパルへのアクセスを制限するポリシーが適用される AWS KMS キーを作成して設定する: 例えば、本番データを暗号化するための AWS KMS キーを 1 つ作成し、開発データまたはテストデータを暗号化するための別のキーを作成します。他の AWS アカウントに対してキーアクセスを提供することもできます。開発環境と本番環境のアカウントは別にすることを検討してください。本番環境で開発アカウントのアーティファクトを復号化する必要がある場合、開発アーティファクトを暗号化するのに使用する CMK ポリシーを編集し、本番アカウントにアーティファクトを復号化する機能を付与できます。次に、本番環境が本番で使用するために復号化されたデータをインジェストできます。
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追加の AWS サービスで暗号化を設定する: 使用する他の AWS サービスについては、そのサービスのセキュリティドキュメントを参照して、サービスの暗号化オプションを確認してください。
リソース
関連ドキュメント:
関連動画: