SEC01-BP05 セキュリティ管理のスコープを縮小する
特定の統制の管理を AWS に移行する AWS サービス (マネージドサービス) を利用することで、セキュリティの範囲を縮小できるか判断します。そうしたサービスを導入することで、インフラストラクチャのプロビジョニング、ソフトウェアのセットアップ、パッチ適用、バックアップなどのセキュリティメンテナンスのタスクを軽減できます。
期待される成果: ワークロードに適した AWS サービスを選ぶときに、セキュリティ管理の範囲を検討します。管理オーバーヘッドとメンテナンスタスクのコスト (総保有コスト (TCO)) が、Well-Architected の他の考慮事項に加えて、選択したサービスのコストと比較検討されます。統制の評価と検証の手順に、AWS の統制とコンプライアンスの文書が組み込まれています。
一般的なアンチパターン:
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選択したサービスの責任共有モデルをしっかりと理解しないまま、ワークロードをデプロイする。
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データベースやその他のテクノロジーを、同等のマネージドサービスを評価することなく仮想マシンでホストする。
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マネージドサービスオプションと比較する際に、仮想マシンでテクノロジーをホストする場合の総保有コスト (TCO) にセキュリティ管理タスクを考慮していない。
このベストプラクティスを活用するメリット: マネージドサービスを使用すると、運用上のセキュリティ統制を管理する全体的な負担を軽減でき、セキュリティリスクと総保有コストを減らすことができます。本来なら特定のセキュリティタスクに費やしていた時間を、ビジネスに付加価値をもたらすタスクに使うことができます。マネージドサービスを利用すれば、一部の統制要件を AWS に移し、コンプライアンス要件のスコープを縮小することもできます。
このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル: 中
実装のガイダンス
AWS では、多数の方法でワークロードのコンポーネントを統合できます。多くの場合、Amazon EC2 インスタンスにテクノロジーをインストールして実行するには、セキュリティの責任の大部分を自社で引き受けなければなりません。特定の統制の運用負担を軽減するには、責任共有モデルにおける自社の責任範囲が狭くなる AWS マネージドサービスを特定し、それらを既存のアーキテクチャでどのように使用できるかを理解してください。例えば、データベースのデプロイに Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
コンプライアンス要件も、サービス選択時の検討材料となり得ます。マネージドサービスでは、一部の要件のコンプライアンスを AWS に移すことができます。サービスの自社で運用管理する側面の監査や、関連する AWS 監査報告書の統制に関するステートメントの受け入れがどの程度容易かをコンプライアンスチームと話し合ってください。AWS Artifact
マネージドサービスを使用するときは、リソースを新しいバージョンに更新するプロセス (Amazon RDS で管理されるデータベースのバージョンや、AWS Lambda 関数のプログラミング言語ランタイムの更新など) をよく理解しておきましょう。そうした操作はマネージドサービスで実行される場合もありますが、更新のタイミングを設定し、運用への影響を理解することは依然としてお客様の責任です。AWS Health
実装手順
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マネージドサービスで置き換え可能なワークロードのコンポーネントを評価します。
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ワークロードを AWS に移行する場合は、ワークロードのリホスト、リファクタリング、リプラットフォーム、再構築、または交換が必要かどうかを評価する際に、管理 (時間と費用) の削減とリスクの軽減を考慮してください。移行の開始時に追加投資を行うことで、長期的には大幅な節約になる場合があります。
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独自のテクノロジーデプロイをインストールして管理する代わりに、Amazon RDS などのマネージドサービスを導入することを検討します。
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AWS Artifact の責任ガイダンスを参考にして、ワークロードに対して導入すべきセキュリティ統制を決定します。
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使用中のリソースのインベントリを保管し、新しいサービスやアプローチに関する最新情報を入手して、スコープを縮小する新たな機会を特定します。
リソース
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