高可用性を実現するアーキテクチャの設計
次の各オプションでは、Oracle Database の高可用性に対するアプローチが異なります。
Amazon RDS
Amazon RDS のマルチ AZ 機能では、複数のアベイラビリティーゾーンで同期レプリケーションを使用して 2 つのデータベースが運用されるため、自動フェイルオーバーを備えた可用性の高い環境が構築されます。Amazon RDS にはフェイルオーバーイベントの検出機能があり、フェイルオーバーイベントが発生すると自動フェイルオーバーが開始されます。Amazon RDS API を通じて手動フェイルオーバーを開始することもできます。Amazon RDS は、月間稼働率が 99.95% の SLA
Amazon RDS for Oracle では、Oracle Active Data Guard を使用したリードレプリカがサポートされています。マルチ AZ と Oracle Active Data Guard のオプションは、どちらも同じ AWS リージョン内にあります。Amazon RDS for Oracle
Amazon RDS for Oracle は、Oracle GoldenGate とも互換性があります。Oracle GoldenGate では、データベース全体をレプリケートするか、少数のテーブルとスキーマをレプリケートするか選択できます。Oracle GoldenGate は EC2 インスタンスのハブアーキテクチャにインストールされ、Amazon RDS for Oracle インスタンスにリモートでアクセスします。Oracle GoldenGate ハブは、同じ AWS リージョン内の Amazon EC2 または VMware Cloud on AWS にある別の Amazon RDS for Oracle インスタンスまたは Oracle Database にデータをレプリケートできます。クロスリージョンインスタンスの場合、最初に別の AWS リージョンにある Oracle GoldenGate ハブにレプリケートすることをお勧めします。
Amazon EC2
Amazon EC2 上の Oracle Database は、Oracle Data Guard、Oracle Active Data Guard、および Oracle GoldenGate オプションもサポートしています。AWS Marketplace で利用可能なサードパーティーのソリューションでも、Oracle Database のレプリケーションがサポートされています。Oracle とサードパーティーのソリューションはどちらも、AWS リージョン内および AWS リージョン間でデータベースをレプリケートするために使用できます。Oracle Database は、お客様のオンプレミスデータセンターとの間でレプリケートすることもできます。AWS Database Migration Service は、テーブルのすべてまたはサブセットをレプリケートするためにも使用できます。
VMware Cloud on AWS
Oracle Database は VMware Cloud on AWS 内で自己管理されるため、サードパーティーによるエージェントベースのレプリケーションを含む、すべてのオプションを利用できます。AWS リージョン間、またはお客様のオンプレミスデータセンターにデータベースをレプリケートするには、Oracle Data Guard または Oracle GoldenGate を使用できます。vMotion や Hybrid Cloud Extension (HCX) などの VMware ネイティブテクノロジーを使用して、オンプレミスデータセンターと VMware Cloud on AWS の間でデータベースを移行できます。アプリケーションおよびデータベース VM の複数レイヤーがある大規模なデプロイでは、レプリケーションと移行をサイトレベルでオーケストレートするために、VMware Site Recovery Manager (SRM) の使用を検討できます。
Oracle Real Application Cluster (RAC)
VMware Cloud on AWS には、マルチキャストのサポートと共有ストレージの機能があります。Oracle RAC は VMware Cloud on AWS にインストールできます。VMware Cloud on AWS の各 Software-Defined Data Center (SDDC) は、最低 3 つの AWS ベアメタルホストおよび最大 16 の AWS ベアメタルホストで実行できます。VMware Cloud on AWS では、2 つの異なる AWS AZ にまたがって SDDC を拡張クラスター方式で実行できます。これにより、Oracle RAC を拡張クラスターモードで実行できるようになり、Oracle Data Guard を別途セットアップする必要がなくなります。
VMware Cloud on AWS vSAN は Oracle ASM をサポートしています。Oracle ASM ディスクグループファイルは VMDK から作成されます。Oracle ASM ディスクグループのデータファイルおよびログファイルに推奨される割り当て単位は、4 MB です。このオプションは ASM ディスクグループの作成時に指定でき、後から変更することはできません。最善のパフォーマンスを得るには、VMDK でマルチライターフラグを有効にし、Eager Zero Thick 用にプロビジョニングする必要があります。Oracle RAC の詳細については、VMware Cloud on AWS 上の Oracle RAC のリファレンスアーキテクチャ図
FlashGrid Cluster
FlashGrid Cluster は、Amazon EC2 で Oracle RAC を実行するために必要なすべてのインフラストラクチャ機能を提供する仮想クラウドアプライアンスです。これには、マルチキャストのサポートと共有ストレージが含まれます。FlashGrid Cluster では、データベースのアップタイム SLA を最大化するために、Oracle RAC ノードを異なるアベイラビリティーゾーンに分散させることができます。FlashGrid Cluster は AWS CloudFormation テンプレートとして提供され、すべてのインフラストラクチャコンポーネントと Oracle ソフトウェアのデプロイが完全に自動化されています。FlashGrid のソフトウェアおよびサポート料金は、AWS Marketplace を通じて請求されます。FlashGrid アーキテクチャの詳細は、ホワイトペーパー