OPS09-BP02 ステータスと傾向を伝達して運用の可視性を確保する
運用のステータスと傾向の方向性を把握することとは、その結果がリスクにさらされる可能性がある時期、追加の作業をサポートできるかどうか、または変更がチームに及ぼす影響を特定するために必要です。運用イベント中に、ユーザーや運用チームが情報を参照できるステータスページを提供することにより、コミュニケーションチャネルの負担を軽減し、情報を積極的に広めることができます。
期待される成果:
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運用リーダーは、チームがどのような種類のコール数に対応して業務を行っているのか、デプロイなど、どのような取り組みが進行中であるかをひとめで把握できます。
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通常の運用に影響が及ぶ場合、アラートが関係者やユーザーコミュニティに配信されます。
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組織のリーダーや関係者は、アラートや影響に応じてステータスページを確認したり、連絡先、チケット情報、推定復旧時間など、運用上のイベントに関する情報を取得したりすることができます。
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経営陣やその他の関係者には、特定期間のコール数、ユーザー満足度スコア、未処理のチケット数、チケットの経過時間などの運用に関する統計値を表示するレポートが提供されます。
一般的なアンチパターン:
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ワークロードがダウンして、サービスが利用できなくなります。ユーザーは何が起こっているのかを問い合わせるため、コール数が急増します。マネージャーは、問題に対処している担当者を突き止めるために問い合わせをするため、さらに負荷が増大します。さまざまな運用チームが個別に調査を行うため、作業が重複します。
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新しい機能が必要になると、そのエンジニアリング業務に数人の担当者が再配置されます。運用への補完人員が提供されないため、問題解決に要する時間が急増します。このような情報はキャプチャされていないため、数週間経って不満を抱くユーザーからのフィードバックが寄せられるようになってからやっと経営陣は問題に気づきます。
このベストプラクティスを活用するメリット: 業務に影響が及ぶ運用上のイベントの場合、状況を理解しようとするさまざまなチームからの情報請求の問い合わせに、多くの時間と労力が浪費される可能性があります。広範囲にステータスを伝えるステータスページとダッシュボードを提供することで、関係者は、問題が検出されているか、問題解決のリーダーは誰か、通常の運用に戻る予想時間はいつか、などの情報を迅速に入手できます。これにより、チームメンバーはその他のメンバーへのステータスの伝達に多くの時間を費やす必要がなくなり、問題の対処により多くの時間を割くことができます。
さらに、ダッシュボードとレポートを使用すると、意思決定者やステークホルダーにインサイトを提供し、運用チームがビジネスニーズにどのように対応できるか、およびそのリソースがどのように配分されているかを確認できます。これは、ビジネスをサポートするのに十分なリソースが存在するかどうかを判断するために重要です。
このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル: 中
実装のガイダンス
運用チームの現在の主要メトリクスを表示するダッシュボードを構築して、運用リーダーと経営陣の両方が簡単にアクセスできるようにします。
迅速に更新できるステータスページを作成して、インシデントやイベントの発生時、担当者、対応の調整担当者などを表示できます。ユーザーが考慮すべき手順や回避策をこのページで共有し、このページの場所を広範囲に周知させます。未知の問題に直面した場合は、まずこの場所を確認するようにユーザーに勧めます。
長期にわたる運用のヘルスを説明するレポートを収集して提供し、リーダーや意思決定者に配布して、運用の作業状況を課題やニーズと共に説明します。
目標と KPI を最適な方法で反映し、変化を推進するうえで影響を及ぼした点を示すメトリクスとレポートをチーム間で共有します。このような取り組みに時間を割いて、チーム内とチーム間での運用の重要性を強化します。
リソース
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関連ドキュメント:
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