OPS08-BP05 ダッシュボードを作成する - オペレーショナルエクセレンスの柱

OPS08-BP05 ダッシュボードを作成する

ダッシュボードは、ワークロードのテレメトリデータを理解しやすいように表示します。ダッシュボードは重要な視覚的インターフェイスを提供するとはいえ、アラートメカニズムに取って代わるものではなく、補完となるべきものです。考慮して作成することにより、システムのヘルスとパフォーマンスに関する迅速なインサイトが得られるのみでなく、ビジネス成果や問題の影響に関するリアルタイムの情報をステークホルダーに提供できます。

期待される成果:

視覚的な表示を使用して、システムとビジネスのヘルスに関する明確かつ実践的なインサイトが得られます。

一般的なアンチパターン:

  • メトリクスが多すぎてダッシュボードが必要以上に複雑化する。

  • 以上を検出するアラートを設定せずにダッシュボードに依存している。

  • ワークロードが進化してもダッシュボードが更新されない。

このベストプラクティスを活用するメリット:

  • 重要なシステムメトリクスと KPI を即座に可視化します。

  • 関係者のコミュニケーションと理解が強化されます。

  • 運用上の問題の影響についてのインサイトを迅速に把握できます。

このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル:

実装のガイダンス

ビジネス視点のダッシュボード

ビジネス KPI に応じてカスタマイズしたダッシュボードは、幅広いステークホルダーのエンゲージメントを向上させます。関係者はシステムメトリクスに関心を持つとは限りませんが、このような数値のビジネスへの影響を把握することには熱心です。ビジネス視点のダッシュボードにより、モニタリングおよび分析されるすべての技術的および運用上のメトリクスが、包括的なビジネス目標に沿っていることを確認できます。このような調整により、透明性が実現し、重要な事項とそうでない事項について、組織全体のコンセンサスが得られます。さらに、ビジネス KPI を強調表示するダッシュボードは、より実践的となる傾向があります。関係者は、業務の状態、注意が必要な領域、ビジネス成果への潜在的な影響を迅速に把握できます。

これらの点を考慮に入れて、ダッシュボード作成の際は、技術的なメトリクスとビジネス KPI のバランスが取れていることを確認します。どちらも不可欠であるとはいえ、対象者は異なります。理想的には、システムのヘルスとパフォーマンスを包括的に把握すると同時に、主要なビジネス成果とその影響を強調表示するダッシュボードが求められます。

Amazon CloudWatch ダッシュボードは、CloudWatch コンソールにあるカスタマイズ可能なホームページであり、ダッシュボードを使用すれば、異なる AWS リージョンにまたがっているリソースでも、1 つのビューでモニタリングできます。

実装手順

  1. 基本的なダッシュボードを作成する: CloudWatch で新しいダッシュボードを作成し、わかりやすい名前を付けます。

  2. マークダウンウィジェットを使用する: メトリクスに絞り込む前に、マークダウンウィジェットを使用してダッシュボードの上部にテキストコンテキストを追加します。これにより、ダッシュボードの内容、表示されるメトリクスの重要性を説明できます。説明には、その他のダッシュボードやトラブルシューティングツールへのリンクも記載できます。

  3. ダッシュボード変数を作成する: 必要に応じてダッシュボード変数を組み込み、動的で柔軟なダッシュボードビューを許可します。

  4. メトリクスウィジェットを作成する: メトリクスウィジェットを作成して、アプリケーションが出力するさまざまなメトリクスを可視化し、ウィジェットを調整してシステムのヘルスとビジネス成果を効果的に表示します。

  5. Log Insights クエリを活用する: CloudWatch Log Insights を使用してログから実用的なメトリクスを取得し、ダッシュボードにこれらのインサイトを表示します。

  6. アラームを設定する: CloudWatch アラームをダッシュボードに統合して、しきい値を超えているメトリクスを簡単に確認できるビューを提供します。

  7. Contributor Insights を使用する: CloudWatch Contributor Insights を組み込み、高カーディナリティフィールドを分析し、リソースの上位コントリビューターをより明確に理解します。

  8. カスタムウィジェットを設計する: 標準ウィジェットでは満たされない特定のニーズについては、カスタムウィジェットの作成を検討してください。カスタムウィジェットを使用すると、さまざまなデータソースからデータを引き出したり、独自の方法でデータを表示したりできます。

  9. AWS Health Dashboard を使用する: AWS Health Dashboard を使用して、サービスとリソースに影響を与える可能性のあるアカウントのヘルス、イベント、今後の変更に関するより深いインサイトを取得します。また、AWS Organizations でヘルスイベントを一元表示したり、独自のカスタムダッシュボードを作成したりすることもできます (詳細については、以下の「関連する例」を参照してください)。

  10. 反復と改良を実施する: アプリケーションの進化に応じて、定期的にダッシュボードを見直し、関連性を確認します。

リソース

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関連ドキュメント:

関連動画:

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