クラウドでの持続可能性の設計原則 - 持続可能性の柱

クラウドでの持続可能性の設計原則

クラウドワークロードを構築する際は、これらの設計原則を適用して持続可能性を最大化し、影響を最小限に抑えます。

  • 影響を理解する: クラウドワークロードの影響を計測し、ワークロードの将来の影響をモデル化します。顧客がお客様の製品を使用することによる影響、および最終的に製品を廃止および使用停止する際の影響などを含む、すべての影響源を含めます。作業単位ごとに必要なリソースと排出量を確認し、生産量と、クラウドワークロードの全影響を比較します。このデータを利用して重要業績評価指標 (KPI) を作成し、影響を抑えながら生産性を向上させる方法を評価して、提案された変更による影響を経時的に見積もります。

  • 持続可能性の目標を設定する: クラウドワークロードごとに、持続可能性の長期目標を立てます。トランザクションごとのコンピューティングリソースやストレージリソースの削減などです。既存のワークロードに対する持続可能性向上のための投資の収益率をモデル化し、持続可能性目標に必要な投資のリソースを所有者に提供します。成長計画を立て、その成長により、ユーザー単位やトランザクション単位など適した単位に対して計測される影響の大きさが結果的に削減できるようにワークロードを構築します。目標により、ビジネスや組織のより大きな持続可能性目標の支援、回帰の特定、改善できる可能性のある分野の優先順位付けが可能になります。

  • 使用率を最大化する: ワークロードのサイズを適正化し、効率的な設計を実装して使用率を高く保ち、基盤となるハードウェアのエネルギー効率を最大化します。ホスト単位のベースライン電力消費量があるため、使用率 30% のホスト 2 つは、使用率 60% のホスト 1 つよりも効率が悪くなります。同時に、アイドル状態のリソース、プロセス、ストレージを排除するか最小化して、ワークロードに必要な合計エネルギー量を削減します。

  • より効率的なハードウェアやソフトウェアの新製品を予測して採用する: パートナーやサプライヤーが行っているアップストリームの改善をサポートし、お客様のクラウドワークロードへの影響の軽減に役立てます。より効率的なハードウェアやソフトウェアの新製品を継続的にモニタし評価します。最新の効率的な技術を迅速に導入できるように、設計に柔軟性を持たせます。

  • マネージドサービスを使用する: 広範な顧客ベースでサービスを共有することで、リソースの使用率を最大化できます。こうすることで、クラウドワークロードをサポートするために必要なインフラストラクチャ数を削減できます。例えば、ワークロードを AWS クラウドに移行し、サーバーレスコンテナに AWS Fargate などのマネージドサービスを採用することで、電力やネットワーキングなど、データセンターに共通するコンポーネントの影響をお客様間で共有できます。マネージドサービスは AWS が大規模に運用し、効率的な運用を保証しています。お客様の影響を最小化できるマネージドサービスを使用します。例えば、Simple Storage Service (Amazon S3) ライフサイクル設定を使用して、あまり頻繁にアクセスされていないデータを自動的にコールドストレージに移動したり、Amazon EC2 Auto Scaling を使用して容量を需要に合わせたりできます。

  • クラウドワークロードのダウンストリームの影響を軽減する: お客様のサービスを使用するために必要なエネルギーやリソースの量を削減します。お客様のサービスを使用するために顧客がデバイスをアップグレードしなければならない必要性を、軽減または排除します。Device Farm を使用したテストで予想される影響を理解し、顧客とともにテストしてお客様のサービスを使用することによる実際の影響を理解します。