アラートの作成
このドキュメントのトピックでは、Grafana での従来のアラートについて説明します。これは、Amazon Managed Grafana の将来のバージョンではサポートされません。Grafana アラートに移行すると、最新のアラート機能を使用できます。詳細については、次のトピックのいずれかを参照してください。
Grafana バージョン 10.x をサポートする Grafana ワークスペースについては、「Grafana バージョン 10 のアラート」を参照してください。
Grafana バージョン 9.x をサポートする Grafana ワークスペースについては、「Grafana バージョン 9 のアラート」を参照してください。
Grafana バージョン 8.x をサポートする Grafana ワークスペースについては、「Grafana アラート」を参照してください。
Amazon Managed Grafana アラートを使用すると、ダッシュボードパネルにルールをアタッチできます。ダッシュボードを保存すると、Amazon Managed Grafana はアラートルールを別のアラートルールストレージに抽出して、評価をスケジュールします。
グラフパネルの [アラート] タブで、アラートルールを評価する頻度と、アラートの状態を変更して通知を開始するために満たす必要がある条件を設定できます。
現在アラートをサポートしているのはグラフパネルのみです。
アラートルールの追加または編集
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アラートルールの追加または編集用のパネルに移動して、タイトルを選択し、[編集] を選択します。
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[アラート] タブで、[アラームを作成] を選択します。このパネルにアラートが既に存在する場合は、[アラート] タブでフィールドを編集できます。
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フィールドに入力します。詳細については、「アラートルールフィールド」を参照してください。
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ルールの作成が終了したら、右上隅にある [保存] を選択して、アラートルールとダッシュボードを保存します。
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(オプションですが推奨) ルールが期待どおりの結果を確実に返すようにするため、[ルールをテスト] を選択します。
アラートルールの削除
アラートを削除するには、アラートの一番下までスクロールして、[削除] を選択します。
アラートルールフィールド
このセクションではアラート作成で入力するフィールドについて説明します。
ルール
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名前 - わかりやすい名前を入力します。その名前は [メンバー] リストに表示されます。
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評価頻度 — スケジューラーがアラートルールを評価する頻度を指定します。これは評価間隔と呼ばれます。
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長さ — 設定済みのしきい値をクエリが超えてから、アラート通知がトリガーされるまでの長さを指定ましす。
警告
If no data or all values are
null
設定を No Data
にしたままで For
を使用しないでください。No Data
のトリガーがすぐにトリガーされ、For
が考慮されません。これにより、アラートが No Data ->
Pending -> OK
から移行しても OK 通知が送信されない場合もあります。
アラートルールに For
が設定されていて、設定されたしきい値をクエリが超えた場合、まず OK
から Pending
に移行します。OK
から Pending
に移行すると、Amazon Managed Grafana では通知が送信されません。For
より長い期間アラートルールが発生すると、Alerting
に変更されてアラート通知が送信されます。
通常は、この設定を使用することをお勧めします。アラート通知の開始を数分待つより、誤検出の発生の方が悪いことが多いためです。Alert list
または Alert list
panels
を見ると、保留状態のアラートを確認できます。
条件
現在、既存の条件タイプは、クエリ文字、時間範囲、集計関数を指定できる Query
条件のみです。
クエリ条件例
avg() OF query(A, 15m, now) IS BELOW 14
-
avg()
は、しきい値と比較できる値にするために各シリーズの値を減らす方法を制御します。関数を選択して別の集計関数に変更します。 -
query(A, 15m, now)
文字はメトリクスタブから実行するクエリを定義します。2 番目の 2 つのパラメータは時間範囲を定義します。15m, now
は、15 分前から現在までを意味します。また、10m, now-2m
を使用して、10 分前から 2 分前の時間範囲を定義できます。これは過去 2 分間のデータを無視する場合に役立ちます。 -
IS BELOW 14
はしきい値のタイプおよびしきい値を定義します。しきい値のタイプを変更するにはIS BELOW
を選択します。
アラートルールで使用されるクエリにテンプレート変数を含めることはできません。現在、条件間の OR
と AND
演算子のみがサポートされており、これらは連続的に実行されます。例えば、condition:A(evaluates to: TRUE) OR condition:B(evaluates to: FALSE) AND condition:C(evaluates to: TRUE) の 3 つの条件の順序では、((TRUE OR FALSE) AND TRUE) = TRUE として計算されます。
複数のシリーズ
クエリが複数のシリーズを返す場合は、集計関数としきい値チェックがシリーズごとに評価されます。現在、Amazon Managed Grafana はシリーズごとにはアラートルール状態を追跡しません。この結果は、次のシナリオで説明されます。
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server1 と server2 の 2 つのシリーズを返すクエリを含むアラート条件。
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server1 シリーズでは、アラートルールが発生して
Alerting
状態に切り替わります。 -
通知は load peaking (server1) というメッセージとともに送信されます。
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同じアラートルールのその後の評価では、server2 シリーズによりアラートルールが発生されます。
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アラートルールが既に
Alerting
状態であるため、新しい通知は送信されません。
前のシナリオからわかるように、ルールが既に Alerting
状態にある場合、Grafana は他のシリーズでアラートが発生しても通知を送信しません。
注記
トリガーされたアラートを送信するリマインダーを設定できます。これにより、アラートが引き続き発生するときに追加の通知が送信されます。他のシリーズ (前の例の server2 など) でもアラートルールが発生する場合は、リマインダー通知に含められます。使用する通知チャネルによっては、この機能を利用して、アラートが発生している新規または既存のシリーズを特定できる場合があります。
データなしまたはエラー処理
次の表は、ルール評価エンジンがデータなしまたは null 値のみを返すクエリを処理する方法を制御する条件を示しています。
データがない場合の選択肢 | 説明 |
---|---|
データなし | アラートルールの状態を NoData に設定します。 |
アラート | アラートルールの状態を Alerting に設定します。 |
最後の状態を保持する | 現在のアラートルール状態を、そのままにしておきます。 |
OK | サポートされますが、通常は役に立ちません。 |
実行エラーまたはタイムアウト
以下のオプションは、Amazon Managed Grafana が実行エラーまたはタイムアウトエラーを処理する方法を指定します。
エラーまたはタイムアウト時の選択肢 | 説明 |
---|---|
アラート | アラートルールの状態を Alerting に設定します。 |
最後の状態を保持する | 現在のアラートルール状態を、そのままにしておきます。 |
クエリがタイムアウトまたはランダムに失敗する信頼性の低い時系列ストアがある場合は、基本的に無視するようにこのオプションを Keep Last State
に設定することができます。
通知
[アラート] タブでは、アラートルールの通知と、アラートルールに関する詳細なメッセージも指定できます。メッセージには、問題の解決方法、ランブックへのリンクなど、任意の情報を含めることができます。
実際の通知が設定され、複数のアラート間で共有されます。通知の設定およびセットアップ方法については、「アラート通知」を参照してください。
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送信先 – アラート通知チャネルを設定済みの場合は、そのチャネルを選択します。
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メッセージ – 通知チャネルで送信するテキストメッセージを入力します。一部のアラート通知では HTML またはその他のリッチ形式へのテキスト変換をサポートしています。
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タグ – 通知に含めるタグのリスト (キー値) を指定します。一部の通知子でのみサポートされています。
アラートの状態履歴と注釈
アラート状態の変更は、Amazon Managed Grafana データベース内の内部注釈テーブルに記録されます。状態の変更はアラートルールのグラフパネルで注釈として視覚化されます。[アラート] タブの State history
サブメニューに移動して、状態履歴を表示およびクリアすることもできます。